編曲:松原秀人(Hideto Matsubara)
監修:五十畑勉(Tsutomu Isohata)
演奏時間:約9分
グレード:4
楽器編成:
Horn 1 – 8
定価:¥4,400(税込)
ご購入はこちら(オンラインショップへ)【楽曲について】
このオケスタメドレーに登場する曲の作者5人は、全員ドイツ出身になります。
1曲目はR.ワーグナーによる「神々の黄昏 第2幕」から、有名な8本のホルンによるオケスタで、和音が広がると共に夜が次第に明けていく様子が書かれています。
2曲目にはそんなワーグナーから大きな影響を受けたR.シュトラウスの後期作品から「アルプス交響曲」からバンダのオケスタ。ほとんどのホルン奏者はアルプス交響曲を演奏する際、オケ中よりもまずバンダとして呼ばれることが多いと思います。もしこのオケスタメドレーを演奏する際に人数に余裕がある場合は、本物のようにバックステージから演奏すると良いでしょう。
3曲目には古典音楽を極限にまで高めたL.v.ベートーヴェンの「交響曲第6番田園より第3楽章」です。オーボエから始まる軽やかなテーマがクラリネット、ホルンへと受け継がれていくこのオケスタは、田舎で人々が集い、気持ちよくお喋りをしているシーンを表しているようです。
4曲目はF.メンデルスゾーンの「交響曲第3番スコットランドより第3楽章」。葬送行進曲の途中、チェロと共に演奏される3番ホルンのオケスタです。メンデルスゾーンというとロマン派作曲家の中でも保守的なイメージがありますが、しかしながらこのスコットランドの中ではしっかりとロマン主義を想うことができます。
5曲目はまたベートーヴェンに戻り「交響曲8番より第3楽章」です。3楽章のトリオに当たる部分に演奏されるこのオケスタはクラリネットと共に牧歌的な旋律が演奏されます。
最後はベートーヴェンの影響を受けに受けた作曲家、J.ブラームスの「交響曲1番より第4楽章」です。ベートーヴェンを意識して作られたこの曲は着想から完成までに21年の歳月を費やしました。
トロンボーンのオケスタとして有名なコラールが歌われた後に登場するアルペンホルンの自然倍音をイメージして書かれたこのソロは、実ブラームスがクララ・シューマンへ向けた愛のメロディで、クララの誕生日に送った手紙にはこのメロディとその歌詞「山の高みから、谷の深みから、きみに幾千回もの挨拶を送る!」と記されていました。
全6つからなるオケスタメドレーですが、ホルン愛好家の皆様やプロを志す音大生達に、気軽に、楽しみながら演奏してもらえることを心から願っております。(松原秀人)
【編曲者について】
松原秀人 – Hideto Matsubara
愛知県扶桑町出身。2歳よりピアノ、12歳よりホルンを始める。
愛知県立明和高等学校音楽科を経て東京藝術大学卒業。
新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第62回名古屋公演にて、名古屋フィルハーモニー交響楽団とJiří Pauerのホルン協奏曲を共演。第38回日本管打楽器コンクールホルン部門にて第3位。第92回日本音楽コンクールホルン部門にて第3位。
これまでにホルンを熊谷直美、野々口義典、日髙剛、伴野涼介、五十畑勉、石山直城、守山光三、松坂隼の各氏に師事。
【監修者について】
五十畑勉 – Tsutomu Isohata
東京音楽大学卒業。同大学研究科修了。アムステルダム音楽院卒業。卒業時にオランダ国家演奏家資格取得。 ホルンを松﨑裕、ヤコブ・スラクター、ユリア・ストゥーデベイカー、ナチュラルホルンをトゥニス・ファン・デル・ズワルトに師事。1991年PMFに参加。2006年よりチョン・ミョンフン指揮のアジア・フィルハーモニー管弦楽団に参加。東京シティフィルハーモニック管弦楽団および東京フィルハーモニー交響楽団を経て、2011年より東京都交響楽団ホルン奏者。つの笛集団、ザ・ホルンカルテットや、安土真弓(名古屋フィルハーモニ交響楽団首席ホルン奏者)とのホルン・デュオ等、ソロやアンサンブルでも活動中。